自転車保険で「セブン」が最も評価された理由 進む「加入義務化」、選ばれる保険の共通点は

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ユーザーのコメントを見てみると、1位のセブン‐イレブンについて「コンビニで手続きができるのが便利」「保険屋さんと直接会わなくても加入できる」、2位のドコモ サイクルには「ドコモユーザーなので加入が簡単」「スマートフォンから手軽に申し込めた」など、“入り口”となる加入手続きのしやすさが重要視されていることがうかがえる。

実際に上位2社は、「コンビニ」や「スマホ」などユーザーにとって身近で日常的な接点を媒介としている。3位のあいおいニッセイについても「コープ経由で加入したため手続きが簡単だった」など、手軽さに満足している加入者像が浮かび上がる。

もっとも損保各社は、前述の「保険屋さんに直接会わなくても加入できるのがいい」といった消費者心理を、十分わきまえているようだ。実際、セブン‐イレブンは三井住友海上火災保険と提携、ドコモは東京海上日動火災保険と提携し、それぞれ自転車保険を商品化している。損保業界としても、タイアップや共同開発でしっかり接点を増やす努力をしているのだ。

6位のauも、今年の2月に自転車販売の全国チェーン店「サイクルベースあさひ」と共同で自転車保険「サイクルパートナー」を商品化している。全国に400以上店舗を持つ日本最大級のチェーンで取り扱うことで、ユーザーとの“接点”をさらに増やし、手軽さ、身近さを高める狙いだ。こういった試みは、今後も増えていくかもしれない。

自治体も「独自サービス」の提供に乗り出す

自転車保険各社の競争が熱を帯びるなか、保険加入を義務付ける地域も増えてきている。兵庫県では昨年10月、全国で初めて自転車保険の加入を義務付ける条例を施行。これに続き、大阪府や滋賀県も同様の条例を年内にも施行する運びとなっている。

なかでも大阪府では「損害賠償保険に入っていない府立高校の生徒の自転車通学は、原則として認めない」という方針を打ち出すほどの徹底ぶり。また、横浜市の交通安全協会は自転車保険「ハマの自転車保険」を創設し、今年2月から加入者を募集している。

こういった行政サイドの取り組みは、自転車事故の高額賠償事例が相次いでいることを踏まえたものだ。歩行者や自転車同士でぶつかり、大事故となって1億円の賠償金を求められるようなケースも、決して少なくない。そのため、条例化や新制度創設の動きが活発化しており、全国各地でさらに加速すると思われる。

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