有馬:それが今回、裁判所の和解勧告に従い、3つの裁判を一本化して、一つにすることにした。
菅:その通りです。簡単にいえば、翁長知事による埋め立て承認の取り消しの是非を問う、つまり、仲井眞前知事の埋め立て承認の判断が正しかったかどうかの訴訟だけにしたわけです。同時に、国は埋め立て工事を中止し、国と沖縄県は裁判と並行する形で話し合いを進めなさい、と。そして判決が出たら、判決に従い、その後も双方が協力して誠実に対応しなさい、と。これが和解条項の趣旨ですね。
和解勧告は想定外だった
有馬:和解勧告が出たのは想定外だったのではないですか。しかし、受け入れたということは、平たく言えば、国が勝つという「勝算」があるわけですよね。
菅:和解勧告は想定外でした。私から安倍総理に状況を報告し、総理は全体を考えた時、訴訟合戦が続くことは双方にとって望ましくない、「急がば回れ」と決断され、和解勧告を受け入れた。国としては、仲井眞前知事は環境影響の評価なども含め、大変厳しく書類をチェックされ、行政判断を下しました。埋め立て承認に瑕疵はないと思っています。今回、そこを判断していただけるので、その方がいいと思っている。国としては、和解条項に従ってしっかり進めていきます。
我が国は法治国家であり、埋立承認の行政判断は、既に示されている。私は選挙のたびに、行政判断が変わるようなことがあってはならないと思うんです。
普天間飛行場の現状は本当に危険です。ですから、普天間飛行場の辺野古移設までの間も、政府としては、沖縄の負担軽減のため、できることはすべてやる、目に見える形で実現するという方針の下、取り組んでいます。
普天間にはおおまかにいって3つの機能があります。一つ目は空中空輸機(15機)の運用機能。これは、2014年8月、山口県の岩国基地に移転しました。二つ目は緊急時の航空機の受け入れ機能。これは九州に持っていくことを決めています。
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