菅:「肝」ということでいえば、いま「横の調整」という話が出ましたが、日本の官僚機構は、どうしても縦割りになっています。横断的に仕事をしなければ物事が進まない、という話が圧倒的に多い。だからそこで調整をして、内閣の方針で前に進めていく。これが非常に重要です。私の役割のうち特に大切なものだと考えています。
「3本の矢」の「成長戦略の真の意味」とは
有馬:自民党が政権の座に返り咲き、安倍内閣(第2次、現在は第3次)が発足してから3年3カ月超。安倍首相は第1次の時に苦い経験をしたということもあり、いまの内閣は動いているということだけは伝わっていると思います。
しかしアベノミクスの「3本の矢戦略」で言えば、確かに1本目の矢である金融緩和は当初こそ、うまく行きました。しかし、2本目の財政政策も財政再建は道半ばですし、3本目の成長戦略についても厳しい評価があります。限界も見えてきているのではないですか。
菅:政権は、やっぱり結果で判断されると思います。安倍政権の特徴は、何をやるかを明確に掲げて、改革意欲を持ち、政治主導で決めていく政権です。株価、雇用、税収など多くの重要指標や数字が示す通り、安倍政権になってから、経済は明らかに好転したと言えると思います。
3本目の矢である「成長戦略」は、もともと中長期のものです。すぐに効果が見えにくいものもある。
例えば農業改革ですが、まず手を付けたのが40年ぶりの減反政策の見直し。これはすぐに決めました。2018年度産から、行政による生産数量目標の配分はなくす方針で取り組みます。それから農協改革。農協監査に関連した法律は1954(昭和29)年にできたままでしたから、地域の農協に権限を持ってもらって自由に活動ができるようにしました。また、特区の形で土地の保有なども含め、企業が一段と参入しやすい形に、改めつつあります。
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