成績「オール3」、選んでいるのは子供自身だ 他人に嫉妬するくらいなら「道」を変えよう

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「自分でそのコースを選んだ」と言うと、「いや、自分では選んでいない」と生徒は言うかもしれません。しかし、実際は“選んでいる”のです。その証拠に、もしオール4のコースやコール5のコースを選択したなら、それなりの勉強をするはずなのです。それを勉強しない、授業態度が悪いということであれば、明らかに自分でそのコースを“選択”しているのです。

自分で「コース」を選んだのに、嫉妬していないか

これは非常に重要なことなので、私は生徒にはいつも話をします。全国で講演会も行っていますが、中学生、高校生には、いつもこの話から始めます。

子どもたちは、本音では、勉強はできないよりはできた方がいいと思っています。しかし、いつしか、自分は“このコース”と無意識に決めてしまっており、それなりの、態度、勉強しかしないようになっていくのです。もちろん、自己選択の結果、今の自分があるということに、本人は気づきません。それをまずは気づかせてあげることが必要なのです。

先ほど述べたように、私は、別にオール2やオール3が、悪いとは思っていません。さらに学校成績がオール1だったとしても、その後の人生を謳歌し大成功された方もいらっしゃいますし、英語が苦手で、学校の勉強もできなかったが、海外で成功された方も知っています。たかだか、学校の限られた教科の成績ぐらいで人としての価値が決まったり、人生が決まったりするものではありません。

しかし、いちばん良くないことが、「羨望」「妬み」といった負の感情を持つということなのです。それがあると自分で選択した道が、価値あるものではでなくなっていきます。ですから、「自分が選んだそのコースに本音から満足しているのであれば、問題ない」というのが、私の考えです。

このような話をすると、多くの生徒たちは、できるものなら、違うコース(成績における上のコース)へ行きたいといいます。それに対して私は、

「もちろん行くことができる!」と返答します。しかしそのためには、まず、「どのコースで行くかを決めて欲しい」といいます。

現在、オール2の子はオール3にしたいといい、オール3の子はオール4にしたいといいます。ここでようやくスタートラインに立ったことになります。この決心ができた後、私は、続けて次のような質問をします。

「それは本気か?」

「そのためには、〇〇ぐらい勉強しなければならないが、本気で行きたいと思っているのか?」

そうすると、本気で決心が固まっていない生徒は、考え込んでしまいます。

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