これまでの私の経験でも、進路指導では、自分の現状の学力より上の学校に行きたいという生徒ばかりであり、現状で入れる高校という生徒は圧倒的に少なかったですね。もちろん塾ですから、成績アップを目指して入学してくるのですが。そういうこともあり、塾としては成績を1つ2つどころか、5つも6つも上げていかなくてはならない生徒もたくさんいました(9教科45点満点の場合)。
成績を上げるための「3つの基本」
では、成績を上げていくためには、どうしなければならないかといえば、それは次の3つのことをやればいいわけです。
2.提出物(宿題など)を期限内に出す
3.定期テストで一定の点数を取る
通常は、3番目のテストでの点数さえとれれば成績は上がると多くの方は思っているようですが、実は1番目と2番目ができていないと、学校成績は1つまたは2つ落とされることになるということは、あまり知られていません。これは過去の記事でも書いたことですが、点数が上がることは学力が上がることを意味しますが、学力が上がることと、学校成績が上がることはイコールではないのです。ですから、授業態度と提出物は“当たり前”にやっていることが大前提になります。
と、ここまでのお話は、一般的によく語られる話ですが、実は、さらに重要で本質的なお話があるのです。これからが本論です。
生徒の成績や学力を高めるためには、勉強を教えるという以前に、次のような質問をして、ある確認作業を行うことから始めなければならないのです。
「どのコースで行きたいか?」
という質問です。
その意味は、「あなたは、1~5のどのコースで行きたいか?」ということです。もっとわかりやすく言えば、オール2のラインか、オール3なのか、オール5なのか、「5つのコースのうち、いずれのコースを取るのか?」ということです(なお、これらは大方の目安であって、実際は教科によるばらつきは当然あります)。
このような質問をすると生徒は「?」となります。今まで聞いたことのない話なので、驚くのです。続けて私は次のように言います。
「1のコースも2のコースも悪くない。どのコースを選ぼうがそこには、良い悪いというものはない。それぞれ、ひとつの生き方なので。だからオール1の成績であろうが、それは自分が1で行くと決めたのだから、それはそれでいいのである。しかし、ひとつだけ重要な事がある。それは、自分よりも上のコースを歩んでいる人を『羨ましがったり、嫉妬したりしてはいけない』ということだよ。自分でそのコースを選んでおきながら、羨ましがるというのはおかしいだろう」
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