(第24回)「四字熟語・故事ことわざ」で綴る就職支援・第十一話『秋期採用』

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就職活動の棚卸し…という考え方が重要
経済の最新動向もつかんでおきたい

どのような業界・企業・職種を志望していたのか?
その志望理由は?
就職活動に出遅れることなくタイミングの良い活動を進めてきたか?
就職活動に自ら進んで臨んできたか?
なぜ就職活動がうまくいかなかったのか?
何が自分自身のウィークポイントなのか?
就職活動における自分のこだわりは何なのか?
 こうしたことをきちんと振り返ってみることが大切だ。これまでに納得のいく成果があがっていないということは、どこかに必然的な理由があるはずだ。それを発見しないかぎり、今後の成果は望めないといってもよいだろう。これまでを振り返り、これからの活動計画を立て、自分から進んで動き出し、途中で立ち止まって確認する。その上で改善すべき点を改めて、再び動き始めることが何よりも重要なのだ。「何とかなるさ」とだらだらと活動を続けることは避けたい。10月いっぱいを目途に集中して活動しようではないか。『物には時節』ということわざがある。物事を成すには、それに適した時機があり、その時機を逸すると思うようにはいかないという意味だ。

 ところで、みなさんは新聞を読んでいるだろうか?世の中の動きや話題になっていることを、新聞を読むことで知るようにしてもらいたいのだ。新聞記事をチェックしていると、なんとなくこちらの業界には人材ニーズがありそうだな、と感じられることがある。たとえば。ローソンとマツモトキヨシの業務提携のニュースである。年内に共同出資会社を設立し、コンビニとドラッグストアを融合した新型店舗を来春から出店する計画の背景には、今年6月の一般用医薬品(大衆薬)販売の『規制緩和』がある。薬剤師がいなくても、新資格の「登録販売者」を配置すれば大半の大衆薬を販売できる改正薬事法がそれだ。となれば、この新型店での採用はあるのではないか? といった発想が生まれてくるはず。こうした手がかりをつかむためにも、経済の最新動向に着目してもらいたい。くれぐれも『世間知らずの高枕』にはならぬように。世の中のことを何も知らないで、のんびりと暮らしている人への皮肉なのだが…。祈健闘!!!
菊地信一(きくち・しんいち)
昭和27年仙台市生まれ。仙台一高、早稲田大学商学部卒業後、株式会社文化放送ブレーンを経て、平成2年より「現代職業工房」を主宰。この間一貫して人材採用をテーマに、採用戦略・計画に関するコンサルティングを行ってきた。企業と学生、両者を知り尽くした公正な立場に基づく本音のアドバイスは、企業セミナー、各種講演会でも好評を博している。『履歴書職務経歴書づくりの達人』(中経出版)、『就職活動のすべてがわかる本』(同文館出版)、『日経就職百科』(日経事業出版社)、『自己分析からはじめる就職活動 2010年度版』(日本実業出版社)、『キャリアデザイン入門』(光生館)など、就職関連の著書は45冊を数える。
現在、日本工業大学教授、北星学園大学非常勤講師、東北学院大学非常勤講師、コズモワールド顧問、文化放送キャリアパートナーズ学生支援部顧問キャリアアドバイザー、日本ジャーナリストセンター主任講師を務めるほか、講演・講義を行ってきた大学は85校にのぼる。
佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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