ダイバーシティって何?(第4回/最終回)--ダイバーシティからインクルージョンへ
いずれにしても「自分がチームに必要な人間として、存在価値を認められている」という自己評価ができるかどうか。または、そのように感じられる職場の空気や仲間の対応があるかどうかが、これからの企業で優秀な人材を定着させるカギになるでしょう。
昭和のサラリーマン(男性)は家族を養うために、「多少イヤなことがあっても会社に行く、勤め続ける」という価値観で生きてきたと思います。かく言う私も独身女性で、「生きるために働かなくては」という感覚で働いてきました。
そういった方にとって、「自分が認められている」ことを求めるのは、「甘え」にしか思えないかもしれません。
「ダイバーシティの推進」が時代の必然であり、「女性活躍推進」もやらなければならないことはわかっている、でも……という気持ちはよくわかります。
ですが、これからの時代、管理職の方々は、自分のチーム内の多様な価値観をマネジメントしていかなければなりません。
そして、日常のコミュニケーション、評価面談のやり方などを通じて、「相手を認めていること」をいかに表していくかといった、表現のスキルが必要となります。
たとえ、「あうんの呼吸が通じない人」「空気を読めない人」でも貴重な人材です。彼らも認めるスキルを身に付け、多様な価値観を尊重する「インクルーシブ」な職場環境、企業風土を作っていきましょう。それが最終的に企業の成長につながるのです。
堀井紀壬子 ほりい・きみこ
東京大学卒業。日本航空、外資系メーカーを経てエイボンプロダクツで営業本部長。同社退社後、経営コンサルタント・キャリアカウンセラー。2003年日本女性の活躍を願う友人たちとNPO法人GEWEL(Global Enhancement of Women’s Executive Leadership)を設立、代表理事。ダイバーシティ&インクルージョン推進のための企業向けコンサルティング、企業文化調査、研修を行うと同時に、日本社会のダイバーシティ&インクルージョン推進のために講演、執筆などを行っている。
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