上田準二・ファミリーマート社長--3~4年後に市場は飽和、中小チェーン再編は必至

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 それを言うと、うちの商品部は「社長、それは無理です」とかかってくる。私は「君らはメーカーからプレゼン受けて、どれがいいかを選んでいるだけじゃないか」と言ってやる。自ら産地を回れば、安い具材はいくらでも見つかるんです。漁港に行けば、サンマだってハタハタだって、そこら中にずらっと並んでいる。

安売り合戦に突っ込まないためには、仕入れや商品の打ち出し方、売り場のバランスなど、すべてのことを、丁寧に丁寧にやっていかなければならないと思います。中食の値入れも、この四半期で3~4%は上げたい。今みたいな時代はそうやって下支えする。耐える。

--しかし、主力商品の単価を下げれば、全体の売り上げも下がります。

だから、それをカバーする戦略も考えないといかん。298円の弁当を買う人というのは、安い弁当はもちろん欲しいが、実はその浮いた金額分でもう1個何か買えると思っている。だから、買い合わせにつながる商品を確実に発注して強化しないと。そして、このことを本部と加盟店がきっちりとお互いに認識し合う。

うちは年度初めに、加盟店向けの政策発表会というのを開催しています。私が発表した政策が理解できない、不満があるという方は、その後の懇親会で私がテーブルを回ったときに言ってもらう。一つのテーブルに6~7店のオーナーが座っていますから、誰か一人がぼそっと何かを言うと、そこからは言いたい放題。でも、年々「やっぱりファミリーマートをやってよかった」という話が多くなっていると感じます。

社名が「ファミリー」でしょう?本部と加盟店は「ファミリー」と。かつてはこれが弱点でもあった。まだ競争が緩やかだった時代のことです。棚は欠品だらけ、接客もひどいという店でも、オーナーも担当者も、お互い耳の痛いことは言わない、聞かない。そんなもたれ合いの関係は本当の「ファミリー」じゃない。

社長に就任して変えました。店があるべき姿になっていなかったら、その場できっちり言う。それは決して加盟店とケンカするためではない。加盟店の売り上げ、利益を上げるためです。その代わり真正面からコミュニケーションをとって、切磋琢磨していきましょう、と。

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