上田準二・ファミリーマート社長--3~4年後に市場は飽和、中小チェーン再編は必至
--ファミリーマートはコンビニ4社の中でも既存店伸び率が最も高く、好調のようです。
コンビニとしていろいろ目指す姿はありますけど、私はそういうことはすべて客数の増加に表れてくると思うんです。どのチェーンよりも、どの小売業態よりも、ファミリーマートに来ていただくために、商品、店舗オペレーション、店内什器、接客をどうすべきかという戦略。そして、そういう店であり続けるための継続力。これがファミリーマートが勝ち残るためのポイントだと本部社員にも加盟店にも言っています。
こういうのは、5年前にスタートした「らしさ推進活動」が大きな基盤になっている。でも当初は、それを言うとアナリストに「そんなファジーなこと言って、あなたも打つ手がなくなった」なんて言われたもんです。でも、ROAや営業利益率などの経営数字はもちろん必要だけど、コンビニというのは毎日の変化に対して、臨機応変にどう対応していくかのほうが重要。目標数値を決めて、それに向かって動くという経営とはちょっと違うんですよ。
--とはいえ、消費低迷で小売り各社は苦戦しています。コンビニも、いよいよ正念場を迎えているのではないでしょうか。
売れないからといって大手小売りグループはPB合戦で価格競争に突入していますけど、うちはそういう安売り合戦に頭を突っ込むつもりはありませんよ。でも、消費者の物価観は変化してきている。だから、価格はもう少し下げないといかん。
でもね、ここで忘れてはいかんのは、コンビニはFCビジネスだということ。ロイヤルティを支払ってくれる加盟店が疲弊したのでは、この事業は成り立たない。売り上げが落ちても、利益は考えないといかん。たとえば、昨年まで600円の弁当の値入れ(粗利率)が35%として、それを本部と加盟店で配分していた。450円に下げたからといって、同じ35%では合わない。やっぱり38%、39%の商品を開発しないと。