渋澤:最後はそれをやるしかないでしょうね。まあ、2008年11月のジンバブエみたいに、1日のインフレ率が5.8倍、年間インフレ率が79600000000%なんて、とんでもない状態にならないことを祈ります。
中野:いくら何でも、そこまでは。
渋澤:でも、政府債務の対GDP比で見ると2008年のジンバブエは147%ですよ。で、当時の日本は174%。その後、2014年にジンバブエは77%まで改善しているんですが、日本は増え続けて230%。ちょっと怖い。今ではジンバブエドルが廃止になって、人民元を公的な通貨として認めたということです。
現金税と生前贈与が正常化には効果的
中野:どうすればおカネの回り方が正常化するのか、悩ましいところです。渋澤さんと藤野さんは、この行き詰まった状況を打開するためには、どういう秘策があると考えますか。
渋澤:現金税。2000万円以上の現金を持っている人は、申告の上納税。申告しなければ脱税。タンス預金者を脱税者にするのですよ。もちろん、税金を納めれば、罪には問われませんよ。
藤野:私は生前贈与ですね。時限的に、たとえば3年間は10%にして、自分の親族に移転できるようにします。そうすれば、若い世代に大量のお金が移転するじゃないですか。今の問題は、おカネを使わない高齢者世代に多額の資金が滞留していることです。だから、それを使いたい世代に回っていくような仕組みを整えれば、おのずと現金は動くようになると考えています。90歳の人が5億円のおカネを持っているよりも、30歳の人が5億円を持った方が、必ず何かするでしょう。
中野:本当に大事なのは、ストックを抱えている人よりもフローを稼ぎだす人だと思います。このままだと、きちっと働いて稼ぐ人が、どんどん日本からいなくなってしまいます。現金を貯め込んでいる高齢者よりも、働いておカネを稼いでいる若い人たちが生活しやすい環境を整える必要がありますね。
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