マイナス金利に対する「過剰反応」の正体

リスクに対して前向きに行動することが必要

金利低下は、現役世代にとって消費行動の選択肢を増やすことにつながる(Taka/PIXTA)

日本銀行が1月末にマイナス金利政策導入を発表してから、満期10年以下の国債金利がマイナスの領域で取引されるなど、幅広く市場金利が低下している。銀行預金金利がゼロに一段と近づき、MMFや貯蓄性保険商品などが販売停止に至るなど、家計の貯蓄行動に影響がでている。

企業の前向きな行動を後押し

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一方、2月中旬からメガバンク3行が住宅ローン金利を一斉に引き下げるなど、貸出金利は低下している。マイナス金利政策発表直後は、「住宅ローン金利が上昇する!」など根拠が薄い見方がメディアで散見されたが、家計には住宅ローン金利低下の恩恵が及んでいる。同様に企業向け貸出金利にも低下圧力がかかると見込まれ、銀行融資に依存する中小企業経営者も金利低下のメリットを受けるだろう。

マイナス金利政策が景気回復につながらないとの見方が多いが、実際に金利低下が観察されており、企業や家計の支出を後押しする経路は存在する。また、銀行貸出以外にも社債市場を通じて、大型社債発行が実現する動きが散見される。限界的なコストとの見合いで、企業の資金需要は存在する。金利低下の長期化を前提に、多くの企業が財務戦略(レバレッジ拡大)を検討し、前向きな行動(設備投資やM&A)が増えるだろう。また自社株購入などの、企業の資本政策も大きく変わる可能性がある。

一方、金融市場では依然、日本銀行のマイナス金利政策への評価は高くない。2月末時点で、マイナス金利政策が円高に歯止めをかける効果が出ているようにはみえない。ただ、マイナス金利導入は、脱デフレを後押しする総需要を刺激する金融緩和強化のツールであり、量的金融緩和政策の効果を補完する政策として、ポジティブな効果が表れると筆者は考えている。

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