よくわかる!歴史から読む「トランプ旋風」

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2008年のリーマン・ショックに始まる株や不動産のバブル崩壊で、米国社会は2つに分裂しました。うまく逃げ切った富裕層と、逃げ遅れた低所得者層との二極分化です。

2008年の大統領選で、低所得者層は演説の抜群にうまいオバマに投票しました。あの時の大統領選は、「これで米国はチェインジできる!」という夢を見させてくれました。

それから8年経ってほとんど何も変わらず、医療保険制度改革を仕上げたあとのオバマは、政治そのものに情熱を失っているようにも見えます。

大統領選に影響を与える「5つの集団」

サンダースの政策は、「オバマができなかったことをわしがやる!」ということ。ヒラリーはその場その場で言うことがころころ変わるので信用できない。そう考える、かつてオバマを支持した低所得者層が、ヒラリーよりもサンダースに流れています。

いま欧州では、シリア難民に紛れて経済難民(移民)が殺到して治安や失業問題が深刻し、「国境線をなくそう」というEUの理想をかなぐり捨てた各国は、国境にフェンスで「壁」を築き始めています。

同じことが米国でも起こっていて、隣国メキシコやカリブ海諸国から、ヒスパニック(スペイン語を話す人々)の移民が不法移民として流入しています。治安や失業の深刻化が予想されますが、それを恐れるのは米国の富裕層ではなく、低所得者層なのです。「国境に壁を築いてヒスパニックを入れない!」というトランプの主張は、彼らから熱狂的に支持されているのです。

トランプ現象とサンダース現象は、「同じコインの表と裏」、といえるでしょう。

米国は大国ですから、一枚岩ではありません。大統領戦に大きな影響をあたえる集団には、次の5つがあります。

①軍需産業(武器メーカー)
②金融資本(大銀行)
③草の根保守(南部や中西部の中間層)
④福音派(南部)
⑤移民労働者(東海岸や西海岸)

 

ここでは、共和党を支持する①軍需産業 ③草の根保守 ④福音派、をみていきましょう。

次ページ「軍需産業」と「草の根保守」の考え方
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