東京医科大で露見した不正受給の全内幕、でたらめな算定、トップ主導の証拠…


 発表翌日の7月22日、大手新聞各紙は、「不適切算定」(読売)、「過大請求」(朝日)などと報道した。読売新聞は「同センターでは『国の指針を見逃したり、担当者が勝手な解釈をしていた』と説明している」とも報じたが、入院時医学管理加算の不正受給や、要件の不備が判明した後も加算を算定し続けたのは、松岡センター長の判断によるところが大きい。なぜ、こうした不正がまかり通ったのか。

「問題だと思っていても、松岡先生に意見を言える職員はいなかった」と、茨城医療センターの元職員は打ち明ける。

そして今回の不正受給のほかに、別の疑惑も持ち上がっている。茨城医療センターは、厚労省から指定を受けた地域がん診療連携拠点病院だ。同拠点病院は、国のがん対策の中心をなす医療機関であり、信用度も極めて高い。この指定に基づいて、茨城医療センターは08年度までの2年間に3000万円近い補助金を得た。

ところが関係者によると、拠点病院指定の要件である治療を受けたがん患者に関する「院内がん登録」について、データの登録が未実施だったにもかかわらず、適正に登録が行われていたように装って、申請した疑いがあるという。

松岡センター長は「がん拠点病院の指定申請で不正はなかった」としているが、外部からの真相究明が必要だろう。厚労省には医療の信頼回復のために、一連の不祥事にメスを入れる覚悟が求められている。

(岡田広行 撮影:尾形文繁、引地信彦、今井康一 =週刊東洋経済)

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
ラーメン店の倒産ラッシュが必然でしかない事情
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
攻撃的な人の態度を軟化させる絶妙なワザ
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
人材戦略から儲けのからくり<br>まで コンサル全解明

人材の争奪戦が過熱し、年収水準もうなぎ登りに。デジタル化を背景にコンサルティング業界は空前の活況を呈しています。本特集ではコンサル業界の動向やビジネスモデルを徹底解説。コンサル会社を賢く選び、上手に活用していくノウハウを紹介します。

東洋経済education×ICT