[新訳]大転換 市場社会の形成と崩壊 カール・ポラニー著/野口建彦、栖原学訳 ~市場経済が持つ本源的な問題点を鋭く分析

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 しかし、「壊滅的な打撃を社会に与える市場経済体制」が今日まで生きながらえることができたのはなぜか。それは逆説的だが、市場経済がもたらす社会の劣化に対して社会の側から必ず強い「抵抗運動」がおこるからである。市場主義者はそのような抵抗を「保護主義」と呼び、「保護主義」こそ市場の本来のすぐれた自己調節機能を阻害していると非難することができたからである。「保護主義のせいで市場は本来の機能を果たせない」という言い訳は、最近の日本における構造改革論者からの「改革が不十分だから市場が機能できない」という言い訳と同じである。70年も前にポラニーが見通したその通りのシナリオのもとに言い訳が語られているのである。ポラニーの先見の明に感心させられる。

いずれにせよ、市場経済の見直しが急務となっているいま、市場の問題点を根源的に考える上で、本書の果たすべき役割は非常に大きいと思う。

Karl Polanyi
1886~1964年。経済人類学の創始者。オーストリアのウィーン生まれ。ブダペスト、ロンドン、アメリカ、カナダにも居住。「ハンガリー革命」で連合政権法相、ウィーンで総合誌編集主幹、オックスフォード大学・ロンドン大学で講師など歴任。41~43年に本書執筆。

東洋経済新報社 5040円 549ページ

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