「英語が苦手ならば他人をモノマネしなさい」 ビル・ゲイツをマネした成毛眞氏の場合

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続いて、単語。英語の勉強にあまり時間を使いたくなく、必要以上に多くの単語を覚えたくなかった私は“仕事で使う”“名詞”を優先的に覚えることにしました。

“仕事で使う”は当たり前。仕事で使わない名詞を覚えても、意味がありません。動詞でも形容詞でもなく“名詞”なのは、名詞さえ知っていればなんとかなることが多く、逆に、名詞をほかの言葉やジェスチャーで表現するのはとても難しいからです。

極端なことを言えば、キーとなる名詞を連発すれば、言いたいことは伝わります。「飛行機」「天気」「トラブル」といった名詞をつないでいる人を前に「この人はお腹がすいているのかな」と思う人はいないでしょう。

逆に、「行く」「見る」「思う」など、動詞は英語で言えるものの、「美術館」「印象派」「カタログ」などが言えなかったら、「この人はどこへ行って何を見て何を思ったのだろう」と思われることは間違いありません。仕事のシーンでも同じです。だから、名詞なのです。

そして人は、名詞をある程度使えるようになってくると「覚えなきゃ」「面倒だな」と思うことなく、動詞も覚えようとし始めるものです。その頃には、英語が面白くなっているからです。さらには、「この名詞とこの名詞をつなぐにはこの動詞が便利だな」という、動詞の接着剤的な魅力にも気がつき、つい、使いたくなってもいるからです。

もしも名詞より先に動詞を覚えようとしたら、このような気持ちにはなれないでしょう。だから名詞を優先させるべきなのです。

話が通じないのは実は「声が小さい」から

では、そこそこの発音ができるようになり、単語を覚えさえすれば、それで英語を使えるようになるでしょうか。答えは、イエスでもありノーでもあります。

矛盾しているようですが、答えがイエスとなるのは、英語が通じたとき。ノーとなるのは通じなかったときです。通じると自信が生まれるし楽しくなるし、どんどん話そうという気持ちになります。ところが通じないと、もともとあまりない自信はしぼみ、だんだん声が小さくなり、聞き取ってもらえなくなり、ますます通じなくなり、自信はきれいさっぱり消え去ります。

こうなってしまったら、発想の転換が必要です。英語が通じないのは、相手に問題があるのだと思ったほうがいいくらいです。だから「なんだ、わからないのか。だったらもう一度言ってあげよう。さっきよりも大きな声で」と思いましょう。

ここで肝心なのは「さっきよりも大きな声で」という部分です。話が通じない理由は、英語の出来不出来ではなく、“声が小さいだけ”だというのは、よくあること。日本語の会話でも相手に聞き返すのは、意味がわからないときではなく、聞こえなかったときですよね。ですから、大きな声で話すことを心がけます。

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