今年に入ると、実体経済の悪材料が噴出。米国の追加利上げ期待は薄れ、足元では金に新規資金が流入しているとみられる。根拠として挙げられるのが、現物の裏付けがある、金ETF(上場投資信託)の純資産残高の増加。「中長期で運用する年金などが金の運用比率を高めている可能性がある」(貴金属アナリストの亀井幸一郎氏)。
そして国内で金の上昇トレンドを加速させたのが、1月29日に発表された、日本銀行による「マイナス金利」導入だ。小売価格(税抜き)は、1月の1グラム=4100円台から、2月中旬には4500円台に乗せた(右図)。
小売店もにわかに忙しくなってきたようだ。金販売大手・田中貴金属工業の1月の実績を見ると、販売量は買い取り量の約2倍の水準に達したという。実際、2月に同社の銀座本店を訪れたある高齢の顧客は、「戦後に預金封鎖をされた経験がある。今の政府や日銀の政策を見ていると、安心して現金を銀行に預けておくことはできない」と、その購買動機を語った。
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