DeNA、中国へ本格進出、巨大市場攻略の勝算
携帯電話向けゲーム・交流サービス(SNS)の大手「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エーが、中国市場攻略に本格的に乗り出した。7月3日、中国の携帯SNS「天下網」を買収すると発表。天下網は日記やコミュニケーションを主力とする携帯SNSで、会員数は約900万人。携帯専業では中国最大手級だ。買収額は公表していないが、数億円程度とみられる。
実はディー・エヌ・エーは、2007年2月から北京の現地法人を通じて独自の携帯SNS「加加城」を運営している。だが会員数は数十万人にとどまっており、6億8000万人ともいわれる中国の携帯電話市場からすれば微々たる規模に甘んじている。
M&Aなどを担当する五嶋一人シニア・ストラテジック・マネージャーは「文化や言葉の壁はやはり大きいと感じている。現地で実績のあるサービスを買収することでこの壁を乗り越えたい」と今回の買収の意図を説明する。
基本的には国内のモバゲーと同じビジネスモデルを導入する方針で、SNS上で自分の分身とし利用するキャラクター(アバター)や、ミニゲームなどを販売する計画だ。
中国事業に本腰を入れる背景には、国内市場の成熟がある。モバゲーの会員数は1448万人にも達し、これまでのペースで利用者数を伸ばしていくのは困難だ。
その点、中国はモバゲー発展の基盤となった第3世代携帯電話(3G)・データ通信定額サービスが今春から始まったばかり。