核実験から2日後、韓国は中断していた北に対する軍事宣伝放送を再開したのも、その一例だ。北が非常に嫌がるこの宣伝放送を再開したこと自体強い姿勢の表れだが、韓国はその中で、金正恩第1書記は「指導者として能力不足」などと痛烈な言葉を浴びせ、また、「100人超の幹部を処刑した」と、金正恩個人に的を絞った攻撃を行なった。
「人工衛星」の打ち上げからわずか3日後には、韓国は北朝鮮領内の開城工業団地の停止を発表した。南北関係が悪化する傾向の中でこの団地は最後まで残っていた協力の象徴であり、簡単に決定できることではなかったはずだが、韓国はあっさりと決断した。
こうした措置に対し、北朝鮮はただちに反撃に出た。この工業団地を「軍事管制区」に指定し、韓国側の人員をすべて国外へ「追放」した。軍の管理下に置くことによりなんでも思い通りにできるのだろう。
韓国側も負けておらず、韓国側の人員が全員「退避」した後、夜中であったが工業団地への電力供給を数分間停止し、さらに水も止めてしまった。南北のいさかいは素手で殴りあうような争いをしている印象がある。
国連にも働きかけ
尹炳世外相は2月9~10日、国連を訪問し、核実験以来難航している北朝鮮に対する非難と制裁強化のための安保理決議作成に関して、国連の潘基文事務総長や安保理理事国の国連大使と会談。今回が「最後の決議」になるよう厳しい対応が必要だと働きかけた。
尹炳世外相はその後欧州での安全保障会議出席のためニューヨークからドイツのミュンヘンに渡り、同地で中国の王毅外相に対し、開城工業団地の操業停止を説明するとともに、「中国が安保理常任理事国として責任ある役割を果たしてほしい」と要請した。韓国が中国に対して率直に注文を付けるのも珍しい。
韓国の強い姿勢は軍事面でも顕著だ。韓国は、かねてから米国より勧められていたが、中国との関係に配慮して始めていなかった高高度迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国配備について、7日、米国との公式協議に入ると発表した。
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