(第22回)現状を打破する変革人材の採用・育成のすすめ(後編)

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 チームメンバーを6~8人に固定するのは、組織論の観点から見て、チームで行う作業の生産性が最も高まる人数だからだ。これはアメリカの軍隊の研究から生まれたFFSという理論に詳しい。(ヒューマンロジック社という企業がこの理論に基づいたサービスを提供しているので、興味のある方はぜひ、そちらをご参照いただきたい。)実際に、近年の軍隊運用の考え方は、大人数の効果的な運用から、少数の精鋭部隊が戦況を独自に把握し、自律的に動く部隊が強いという論に変わってきているが、企業の組織運営を一歩先んじた形で実現していると言えるだろう。

 プロジェクト期間中に社内のエース級の人材をメンター役として配置するのは、社内の一流の人材の能力を、若手社員に移管するためだ。プロジェクトを通じて、「優れた仕事の進め方」「優れた判断」をOJTで伝えることができる。若手社員が遠慮しがちな、「社内にある経営資源を調達・活用する」という側面も見せることができる。

 この制度と不況下に最高益を記録することとの間に、どの程度の因果関係があるかを証明することは難しいが、少なくとも、この制度を導入することで、意欲・能力に優れた人材を集め、彼らの力を十二分に発揮させることは確実にできる。

 前回、本当は一定数いるはずの「変革人材」に多くの会社が出会えない理由として、「商社」や「コンサルティング会社」「金融機関」といった一部の業界・企業に変革人材が集まりがちだ、という話をしたが、彼らは早い段階から様々なプロジェクトや事業に関わりたいと思っているからこそ、それができそうな企業群に集まるのだ。したがって、若手社員のみでプロジェクトを立ち上げ、事業化する制度を設けることは、彼らの目を振り向かせ、興味を惹かせる最初の一歩となる。社内に既に成功事例があれば更に望ましい。(もちろん、商社やコンサルティング会社を志望している層であっても、ブランド志向や大手志向の人は振り向かせることはできないが、そのような人たちはそもそも変革人材である可能性が極めて低いので問題はない。)

 ジョブウェブでも試しに入社1~2年目社員を中心とした5人のチームで新規事業の創造にあたらせたが、見事成果を生み出し、今期は一つの事業部として独立させるまでに至った。若手社員には、社内の内部情報に疎いという欠点はあるが、一方で、常識に囚われない発想を持ち合わせているので、引き出し方、サポートの仕方が成果の行く末を左右する。案ずるより産むが易し。人事担当者の皆様には是非トライしていただき、変革の呼び水として欲しいと思う。

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