生命進化の歴史は地球の環境から読み解ける 生物はどのように誕生したのか
生命がどのようにして誕生し、進化してきたのか。だれもが興味をいだくテーマだ。完全にわかるということはありえない。しかし、あたらしい技術が開発され、あらたな発見がなされ、次第に議論が収斂してきている。
全地球凍結=スノーボールアース仮説の提唱者である地質生物学者で著者ジョセフ・カーシュヴィンクと古生物学者ピーター・ウォードによるこの本『生物はなぜ誕生したのか: 生命の起源と進化の最新科学』は、最新データを網羅してまとめあげられた最高の一冊だ。
生命の誕生と進化を、3つの視点から描く
原題は A New History of Life。生命の “新しい” 歴史として、3つの視点から生命の誕生と進化が描かれていく。その3つとは「環境の激変」、「単純な三種類の気体分子(酸素、二酸化炭素、硫化水素)」、「生物自体ではなく生態系の進化」。生物そのものよりも、その環境から生命の歴史が読み解かれていく。
我々の考え方というのは基本的に保守的だ。だから、現在認められるプロセスが過去にも当てはまる、とする「斉一説」を好むようにできている。しかし、その先入観は木っ端みじんに吹き飛ばされる。大進化は、信じられないような出来事、それもカタストロフィーと言っていいようなとんでもない大惨事、によってもたらされたという「天変地異説」が正しいのだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら