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ショッピングモールは下流化の象徴じゃない 東浩紀×大山顕「これは世界統一の文法だ」

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僕は娘が生まれた2005年頃、西荻窪というたいへん「意識の高い」街に住んでいました。妻と2人で暮らしているうちはとても快適だったのですが、子どもができたとたん、この街がとても厳しくなった。愛用していたおいしいお店や飲み屋は子連れだと厳しいといわれるし、狭い道に車やバスが往来していてベビーカーを引くのも危ない。そういうなかで、ショッピングモール的なものの公共性について考えるようになってきた。

その結果として生まれたのが、『東京から考える』(NHKブックス)と、『思想地図β』vol・1(ゲンロン)です。大山さんとお会いしたのはこの頃ですね。『東京から考える』の刊行が2007年。大山さんと「建築夜学校」というイベントではじめてお会いしたのが2010年10月ですか。それから3カ月後に、『思想地図β』の創刊号でショッピングモールを特集しています。

地元の商店街がモールにされることは下流化なのか

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社会思想の文脈でそのとき意識していたのは、2005年に出た三浦展さんの『下流社会』(光文社新書)と、毛利嘉孝さんの『ストリートの思想』(NHKブックス)です。三浦さんの整理では、地元の商店街がショッピングモールにされることが下流化の象徴ということになっている。けれど、そんな簡単な図式でいいのか。

また、毛利さんはこの本で、のちに高円寺の脱原発デモにつながるような政治の流れを紹介しています。1990年代の「だめ連」、ゼロ年代の高円寺の「素人の乱」……といったような、ストリートを中心とした運動です。

三浦さんと毛利さんはまったく違ったタイプの書き手ですが、共通して、空調が効いたショッピングモールを批判し、猥雑な商店街あるいはストリートこそが本当の公共圏だと主張します。『ストリートの思想』では、若者たちが昼間から酒を飲んで語りあっている、そういうオープンなところが高円寺の魅力だと言う。

でもそれって、本当はかなり威圧的ですよね。ひげ面の30~40代の男たちが日本酒を片手に安倍政権を批判しているのが、果たしてオープンといえるのか(笑)。ひとくちに「開かれている」と言っても、若者に対して開かれていることと、高齢者に対して開かれていることは一致しないし、子どもがいるお母さんに開かれていることと、健常者の男性に開かれていることもまた全然違ってくる。

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