「儲からない」農業企業が絶対気づかない視点

今春から参入加速、頭を使わなきゃ勝てない

また、生産性向上の努力ではなく、おカネを稼ぐための仕組みづくりも入念に行います。マーケットリサーチを行い、タイムリーに商材を取引先に納品する仕組みを構築するなどマーケット側との連携を強め、サプライチェーン、バリューチェーンの中での生産材料供給という農業本来の役割を果たそうと「サプライヤー」としての努力研鑽を行っています。

農業は野球チームを作るのと同じ

一方、儲からない農業をやっている企業や農業生産者は、野球をちょっと知っているからといって、いきなりプロ野球チームを作ろうとしているようなもので、かなり安易な考えで農業を始めたケースが多いようです。闇雲に野球経験者だけを寄せ集めても勝てるチームになれるはずがありません。

草野球を始めるならともかく、プロ(その道で食べていこうと思う)になるならそれなりに頭を使わなければ勝てないことは明らかであるのに、ことさら農業に関しては「頭」より「力」を使えば何とかなると思ってしまう風潮が未だに多い。

農業は農作業をがむしゃらに頑張ったところでおカネは降ってきません。緻密な計算と長期的なビジョン、そしてあらゆるリスクをヘッジするための周到な準備など、勝ち残るための戦略を練り上げる、つまり、ちゃんとおカネが入る仕組みを作らなければいけないのです。

農業は「肉体労働」だけではなく「頭脳労働」であるということに気がつけばおのずとビジョンも事業計画も戦略も変わります。これにいち早く気が付き、長期的な視野で戦略を持って事業に挑む企業や農業生産者はこれまで「一人勝ち」してきました。そしてこれからも「敵なし」といっても過言ではないでしょう。

「儲かる農業」を実現できなければ、既存の農家が高齢化で減少する中、農業に参入する企業はいずれ減少し、担い手といわれる日本の農業生産者が本当に減っていくことも懸念されます。早ければ1年後に発効されるTPP協定。日本の農業がまた新たな次の時代に突入します。農業に参入する企業が、これから日本の農業で勝ち抜くためには「農業」から「脳業」への意識を変換するはじめの一歩が重要なのです。

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