【産業天気図・証券業】ぐずついた天気続くが土砂降りは収まる。低空飛行ながら底打ち気配も

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予想天気
  09年4月~9月   09年10月~10年3月

依然として天気はぐずついているが、一時の土砂降り状態から雨足は弱まってきた。今の証券業は、そんな収益環境にある。証券業の2009年度前半の天気見通しは「雨」として、前回(今年3月)予想を踏襲する。ただ、同後半については「曇り」と、前回の「雨」予想から上方修正する。

証券業を主体とする上場各社の09年3月期決算は、米国会計基準の野村ホールディングス<8604>とネット専業3社を含む上場21社すべてが、営業減益もしくは営業損益段階での赤字に陥った(野村は税前損益ベースで計算)。営業赤字は18社。営業黒字を保ったのは、松井証券<8628>などのネット専業3社のみだった。各社の営業損益を合計すると、なんと赤字額は約9500億円にも上った(うち野村の税前損失が7790億円)。

いわゆるサブプライム問題が表面化した07年夏以後、ダラダラと続いていた金融不安は、昨秋のリーマンショックを契機に、一段と混迷の度合いを増した。株式だけでなく、あらゆるリスク資産の価格が暴落。世界の実体経済を大きく下押しした。個人・機関投資家を問わず、投資意欲の冷え込みや資金調達環境の悪化などで、手数料収入が激減。顧客への販売や自らの運用目的などで、各社が売買・保有する金融商品で多額の損失が発生した。

一方、各国財政・金融当局による一連の危機対応策が奏功し、世界の株式市場では株価が上昇。日経平均株価は今年3月上旬の底値(終値ベースで7054円)から、足元では3割以上も値を戻している。懸念された米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の経営破綻も、マーケットの大きな混乱にはつながらなかった。それにつられて、少しずつではあるが投資家の投資意欲も持ち直してきつつある。赤字に苦しんだ証券各社でも、手数料収入に回復の兆しも出てきたようだ。

「会社四季報」夏号では、上場証券21社の今10年3月期業績予想について、基本的には赤字幅縮小もしくは増益基調を予想した。今年度後半から来年度にかけて業績が上向くシナリオを想定したのが、09年度後半を「曇り」とした理由だ。

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