男女共同参画社会基本法が1999年に施行されてこの6月でちょうど10年、男女雇用機会均等法の施行からは23年が経過した。その間、雇用に関しては、男女の均等な待遇の確保という面で一定の前進があったようだ。
先ごろ公表された「男女共同参画白書」(内閣府)によると、一般労働者(フルタイム労働者で非正社員を含む)について1時間当たり平均所定内給与額を男女間で比べると、男性を100とした場合、女性の給与水準は99年の65.4から2008年には69.0へ上昇。依然、男性より3割低い水準ではあるが、長期的には男女間格差は縮小傾向をたどっている。
ただ、比較対象である男性の賃金水準が低下ぎみという事情を勘案する必要がある。厚生労働省「賃金構造基本統計調査」から賃金の推移をみると、女性が緩やかながら上昇基調にあるのに対し、男性では伸び悩みが顕著で01年以降は微減が続いている。その主因の1つが正規のほぼ半分の賃金水準にある非正規労働者の急増だ。
総務省「労働力調査」によると、雇用者全体に占める割合こそ約2割と女性に比べて低いが、02~08年の6年間に29.7%増えるなど、女性(17.7%増)を上回る増加ペースとなっている。
男性を含めた全体の賃金水準の上昇があった上での男女の格差縮小ではない。制度上での均等な取り扱いの浸透とは裏腹に、女性の経済力向上の歩みは遅々としている。
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