自分の生き方より子育てを優先し、子どものしつけや教育に関心の高い母親が増えている。
ベネッセコーポレーションのシンクタンクが、首都圏の幼稚園・保育園児の母親を対象として昨年秋に実施した調査によると、「子育ても大事だが、自分の生き方も大切にしたい」と考える母親は56.7%と過半数を占めたが、割合は1997年の74.7%、2003年の63.8%から減少。これに対し、「子どものためには自分が犠牲になるのはしかたない」とする母親はこの11年間で17.6ポイント上昇し、08年には41.8%に達した。また少数派ではあるが、「子どもの進路は、親が責任を持って考えるべき」「世間で名の通った大学に通ってほしい」も増加している。
こうした傾向が見られるのは、専業主婦だけではない。フルタイムで働く母親の場合、「子どものためには自分が犠牲になるのはしかたない」とする人の割合は、専業主婦に及ばないが、97年の17.9%から08年には38.4%と倍以上増加している。
その一方で、子育てをしながら働くことの負担感を8割超が抱え、「いい母親であろうとして、かなり無理をしている」人が増えるなど、働く母親の子育てをめぐるストレスや不安感は高まっている。
“余力・余裕”の乏しい母親に対する社会的なサポート、そして何より夫の理解と協力が必要だ。
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