一匹狼ヤオコーの大一番、都心進出に名乗りを上げる驚異の地場スーパー

一匹狼ヤオコーの大一番、都心進出に名乗りを上げる驚異の地場スーパー

出店地は青梅--。この知らせを聞き、神奈川県のあるスーパー幹部は胸をなで下ろした。

「ひとまず脅威は回避できた」

埼玉県を地盤とする食品スーパー、ヤオコーが、東京、神奈川への本格進出計画を打ち出してから半年。「ヤオコーに入ってこられたら、商圏を根こそぎ奪われてしまう」(同氏)。青梅近辺のスーパーは今、ヤオコーがどこに出店してくるのかに、戦々恐々としている。そこまで競合を震え上がらせるこのスーパーは、前2009年3月期まで17期連続で増収増益街道を驀進中だ。

値下げに追随しない個性際立たせる店づくり

今期、イオンやイトーヨーカ堂などの大手スーパーが数千品目単位の値下げに打って出る中、ヤオコーは「安さに走れば、社員が知恵や工夫を働かす場がなくなる。(大手の)値下げの影響は一時的には避けられないが、安さが決定打とはならない」(川野清巳社長)と、独自の付加価値路線を崩さない。そんなヤオコーの戦況は、苦戦が続く大手を尻目に、既存店が4月に客数前年比1・5%増となり、5月には売り上げでも前年実績を超過する見通しという。

順風満帆を謳歌する一匹狼。だが20年前までは、何の変哲もない一地場スーパーだった。「スーパーバイザー部長が店を回って、本部主導で店づくり。売り場は当時最大のダイエーの足元にも及ばない魅力に乏しいものだった」と、ある幹部は振り返る。ターニングポイントは18年前。スーパー業界全体の雲行きが怪しくなり始めたころだった。

「自分たちのレベルが、お客様の要求水準に達していなかった」。当時社長だった川野幸夫現会長が語る。極端な話、食品スーパーは、生鮮や総菜を中心に食生活を提案するライフスタイル型か、同一商品をできるかぎり安く売るディスカウンターしか生き残れない。ヤオコーも自らのスタンスを明確に示すことを迫られた。大手に比べバイイングパワーに劣るため、ディスカウンターは難しい。進むべき道をライフスタイル提案型としたのは必然だった。



■ヤオコーの詳細

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