一匹狼ヤオコーの大一番、都心進出に名乗りを上げる驚異の地場スーパー

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群馬県・中之条店。ここで96年に店長となった小澤三夫氏(現販売部地区担当部長)は、思い切って縦割り組織を変えた。野菜売り場、総菜売り場など4カ所でバラバラに売っていたサラダを、1カ所にまとめた。ヤオコーの人気売り場「サラダステーション」の第1号だ。ほかにも、普段の食卓に上らないローストビーフや馬刺しなどを料理提案、「いろいろ遊ばせてもらった」と小澤部長。そして、これが吉と出た。

03年、本社に程近いショッピングセンター内に川越南古谷店を出店する。800坪に及ぶこの大型店は、家賃や人件費を入れると年30億円売らないと採算が取れない。が、近隣の商圏規模から見て年間20億円前後がやっと。確かに外部環境は厳しいが、本社に近い便のよさから、ゆくゆくは大型旗艦店にしたいという願望が込められた出店だった。

この難題を任されたのが、“いろいろ遊んできた”元中之条店長の小澤部長。さっそく、サラダステーションの導入から、フォアグラなど小さな非日常を演出する料理提案、さらにおかずのバイキング販売など、プラスアルファの売り上げづくりを矢継ぎ早に打ち出した。

結果、初年度は採算ラインを超える35億円を達成。その後も40億円、42億円と成長。開店から6年間、一度も前年を下回ったことがない驚異的な店の礎を築いた。「中之条店で自分で考え、実験、実証してきたことが生きた」と小澤部長。ライフスタイル提案型で、不可能を可能にするチャンスを示した。続く翌年オープンしたワカバウォーク店(埼玉)もひとまず成功したことで、経営陣も現場も個店経営に自信を深め、現在のスタイルを確立したのだ。

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