ルビオ氏にとっても状況は大きく変わらないが、アイオワ州同様それなりの結果を残せれば、ケーシック氏、ブッシュ氏、クリスティ氏などのベテラン勢が選挙戦を離脱する可能性が出てくる。ルビオ氏を含めた4人の支持率を合わせると38%と、トランプ氏の33%を超える。仮に現在ブッシュ氏などを推している大口献金者や企業ロビイストなどエスタブリッシュメントを好む有権者がルビオ氏の支持にまわれば、同氏が共和党指名争いに残れる可能性はグンと上がる。
ニューハンプシャー州の見どころは、誰が「2位」になるか、そしてどれだけトランプ氏に迫れるか、である。すでにトランプ氏は「ピーク超え」の見方も出てきており、ニューハンプシャー州で1位になったとしても2位との差があまりないようであれば、「敗北感」が漂い、今後の選挙戦にマイナスを影響を及ぼす可能性がある。
クリントンとサンダースの「差」
いずれにしても、異端児のトランプ氏が最終的に共和党の指名を獲得したとしても、メディアが華々しく取り上げることはないだろう。米ギャロップの世論調査によると、トランプ氏の不支持率は60%と、現代史における著名な大統領候補の中で圧倒的に高いからだ。
一方、民主党側はどうだろうか。クリントン氏はニューハンプシャー州では苦戦を強いられそうだが、最終的にはサンダース氏を下す公算が大きい。サンダース氏は長年、バーモント州に選挙事務所を構えていたため、近隣のニューハンプシャー州を制する可能性があるが、ほかの州を見たときに勝てそうなところはほぼない。
確かに格差問題に敏感な若年層だけ見ると、サンダース氏はクリントン氏を圧倒しているが、若年層より投票率の高い年配の有権者の間ではクリントン氏の支持率が高い。民主党の主な支持基盤である黒人やヒスパニック系有権者間でも依然、クリントン氏を支持する向きが強い。
仮にサンダース氏が、白人比率の高いアイオワ州とニューハンプシャー州を制したとしても、南部や中西部ではクリントン氏が高い支持を得ると見られる。油断はできないが、2008年の「悪夢」から覚め、今度こそ念願の民主党の指名を得ることができるのではないか。
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