日銀総裁、「個人預金はマイナス金利にならない」 マイナス金利幅の拡大は否定せず

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黒田東彦日銀総裁は午後の衆院予算委員会に出席し、日銀のマイナス金利政策の導入を受けても、個人の預金金利がマイナスになる可能性はないとの見解を示した。写真は都内で3日撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 4日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は4日午後の衆院予算委員会に出席し、日銀のマイナス金利政策の導入を受けても、個人の預金金利がマイナスになる可能性はないとの見解を示した。

今後、マイナス金利幅を拡大させていく可能性については「否定しない」と語った。

前原誠司委員(民主)の質問に答えた。

日銀は1月29日に当座預金残高の一部に0.1%のマイナス金利を適用することを決定した。

黒田総裁は今後、マイナス金利幅をさらに拡大する可能性について、経済情勢次第としながらも、「その可能性も当然否定しない」と明言。日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現に必要となれば、「躊躇なく量・質・金利という3次元の追加緩和手段を駆使し、目標達成に全力をあげることを誓う」と語った。

マイナス金利導入で預金金利を引き下げる金融機関が出ているが、先行する欧州では日銀よりも大きなマイナス金利を採用している国でも預金金利がマイナスになっていないとの事例を紹介し、「日本においても個人預金についてマイナス金利が付く可能性はないと思う」と語った。

マイナス金利導入は量的緩和に限界があるためではないか、との指摘について総裁は「量的・質的金融緩和に限界があるとは考えていない」と断言。国債市場の動向を「今後も十分注視していく」としたが、マイナス金利のもとでも「国債買い入れがスムースに進まなくなるリスクは非常に小さい」と述べた。

貸出金利の低下に伴う利ざや縮小が金融機関経営に与える影響については「中長期的に経済が立ち直っていく中でこそ金融機関の収益は拡大していく」とし、「デフレが続いている中で金融機関の収益が持続的に拡大することはない」とデフレ脱却が金融機関経営にとっても重要との認識を示した。

マイナス金利導入は円高回避が狙いではないかとの指摘に対しては、「為替レートをターゲットにして金融政策を運営することはない」と強調し、そうした誤解が生じた場合には「適切に説明していく」と語った。

 

(伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦)

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