女優・武井咲の結婚観と仕事観に迫ってみた 早くもデビュー10周年の区切り
10代とはいわゆる多感な時期。そのほとんどを芸能活動に費やし、多忙な日々を過ごしてきたひとりが武井 咲さんだ。22歳にして10年の芸歴を持つ彼女の本音を探ると、その仕事観と結婚観に“媚びない芯の強さ”が見えてきた。
譲れない想いを主張して女優として新たなステージへ
武井 咲さんの取材が行われた日は、まさに2016年へのカウントダウンが始まったタイミングだった。すでに新年からスタートする連ドラ『フラジャイル』の撮影に入っていると聞いていたので少しは疲れの色が見えるかと思っていたが、それとは裏腹に、目の前の彼女は“屈託ない”という言葉がしっくりくるような伸びやかな表情をしていた。
いかにも今の生活が順調であることを物語っているようで、その印象をストレートに伝えると、武井さんは「今年は本当にいい1年だったんです。もう1回やりたいと思えるほど楽しかった」と実に清々しい答えを返してきた。そして、言葉を慎重に選ぶような素振りを見せて次のように続けた。
「もともとの私は納得しなければ前に進めず、何よりも“こなす”という作業に抵抗を感じるタイプの人間です。でも、デビュー以来、がむしゃらに走り続けてきて、なかなか思うようにはできなかった。そんな中、2015年は次の仕事にかける時間を十分いただき、また吸収する心のゆとりも持てたんです」
特に、武井さんが正義感にあふれるOL役に扮し、「五寸釘ぶちこむぞ」と啖呵を切るシーンが話題になったドラマ『エイジハラスメント』は彼女にとって大きな転機となったらしい。
「脚本の中に私にはどうしても理解できないくだりがあって、『納得するまでは言えません』とプロデューサーさんや監督さんに訴えたことがありました。そして、議論させていただいた末に痛感したんです。私には現実的でないことが世間の方の共感を呼ぶ場合もある、役者が自分の我を入れすぎるのはよくない、と。初めて得た心境でした」