モンスターペアレンツの影響は子に向かう

親の不安定さは、子どもの成績にも現れる

次の例をご覧ください。

(学校の事務所の電話が鳴り、事務員がとる)
事務員Aさん:「はい、〇〇学校のAです」
(電話をかけてきた方が、学校内でクレーマーと言われる保護者であると分かって、事務員Aさんの顔がこわばる)
事務員Aさん:「ええ、ええ、はい、でもですね、そうはいかないですよ」
 (Aさんの顔がだんだん紅潮してくる)
事務員Aさん:「ですから、それはできないんですよ!」
(Aさんはかなり焦っている様子。そこで私が、いったん電話を保留するよう促して、事情を簡単に聞くが、よくクレームでご連絡をされるから電話が来たということ以外詳しいことは、よくわからないので、電話を変わってもらう)
私:「お電話変わりました。事務局長の石田と言います」
(保護者Bさんは、はじめは電話の相手が変わり憮然とした様子でしたが、私がBさんのお話を聞くと、Bさんのお話の方が正しいと感じたので)
私:「それはそうですね。お話を聞いた感じでは、Bさんがおっしゃっていることはよくわかります。一度こちらで再検討させて頂けますか?」

電話を切り、私は事務員のAさんにこれまでの保護者Bさんとの経緯を聞きましたが、明らかにBさんが正しい。つまり事務員Aさんの対応によって完全に火に油を注いでしまっていました。実はBさんはモンスターペアレントでもなんでもなく、逆に話のわかる人だったのです。

このような事例はたくさんあります。注目すべきところは、事務員Aさんは保護者Bさんのことをクレーマーといい、モンスターペアレントというレッテルを貼っていたことです。こうやってモンスターペアレントが誕生していきます。このような場合は、受け手側がしっかりとした判断と対応をすれば“人工的モンスターペアレント”は減少していきます。

一方、本当にモンスター級であるケースも

しかし、モンスターペアレントと言われている人のうち、実際20%程度は本当にその名の通りであったという経験があることも事実です。その一例として、私が経営する塾の中学生の親の例をあげます。

そのお子さんはほぼ毎回無断遅刻をし、宿題もやってこない生徒でした。受験を控えている学年の子で、私たちは一旦指導をお引き受けした以上は、確実に合格させる義務があります。また、そのためには私たちが指導することを確実にやってもらう必要もあります。

しかしながら、何度指導をしてもその家庭の協力が得られず、まったく改善をする姿勢がないことから、私たちとしてはこれ以上責任がもてないと判断。お辞めいただくことを検討してもらいました。

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