宮崎の老舗「ゆるキャラ工場」に潜入してみた 今やイタリアの高級ブランドも注目

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くまモンのようなサクセスストーリーがあるために、さらに「ゆるキャラ」熱は高まる。

加納氏によると、最も大変なのは顧客に「くまモンみたいなのを作って」と言われることだという。同氏は、かわいいキャラクターを作るだけではダメで、人々を巻き込むためにどうキャラクターを使うかを考えるべきだと話す。政府機関の発注で作った着ぐるみが、箱の中で眠っているのを見ると悲しくなるという。

海外からの注文も拡大中

今日では、KIGURUMI.BIZは1カ月で20体から25体の着ぐるみを製作する。海外からの注文も増えており、ドイツのリネンメーカー、フェイラーのクマのキャラクターや、マレーシアの漫画のキャラクターの着ぐるみなどを作成した。最近では、あるイタリアのファッションブランドが、銀座の高級ショッピング街でプロモーション・イベントを行うために、2体を注文したという。

キャラクターの着ぐるみの人気が高まっている理由として加納氏は、着ぐるみとは直接触れ合えることと、控えめになりがちな日本社会の中で、堂々と愛情表現ができることを挙げた。日本では夫婦でさえハグしないし、加納氏自身も従業員をハグすることはないが、彼らが着ぐるみを着たとたん、「抱きしめたくなってしまう」のだという。

(執筆:Jonathan Soble記者、翻訳:東方雅美)

© 2016 New York Times News Service
 

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