原油価格20ドル台突入は何を意味するのか 今年は20ドル台前半から50ドル台で推移

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結果として2013年以降は、株式市場がさらに上昇した局面でも、原油価格はそれに連動していない。

2014年の世界における石油供給は、日量9375万バレル超と、前年比で日量240万バレル程度も増加。同年、世界の石油需要は90万バレル増加したものの、結局、供給超過となった。

OPEC(石油輸出国機構)産油国の占有率が、米国を中心とする非OPEC産油国の石油生産が伸びたことで下降し、価格支配力はさらに低下したのである。

OPECは事実場、供給と価格のコントロールを放棄

OPECは従来、減産することで需給を均衡させていた。しかし、2014年11月に開催された総会では減産協力ができずに、事実上、需給や価格の調整を放棄。これによって、原油価格は、より下げ足を速めることになったのだ。

2015年からは原油価格下落によって、米国のシェールオイル産業の調整が進んでいる。シェールオイル開発のため、用いられる水平掘削装置(リグ)の稼働数は、2014年10月の1242基をピークに現在は446基まで減少した。

それでも米国では、生産量の推計でピークだった2015年3月の日量500万バレルから、足元では同50万バレル程度の減少にとどまっている。シェール関連会社は生産効率化などで乗り切り、現時点ではOPEC産油国の増産による原油安に対抗している状態だ。

今後の価格見通しはどうなるのか。冬場を迎えた北半球は暖房需要期に入るが、製油所の段階では、灯油など暖房器具向け製品の生産はピークを過ぎつつある。

その後、1月後半から3月前半までは、設備の定期修繕を実施するため、原油の購入を手控える傾向がある。供給が緩むことで、短期的には原油相場は20ドル前半まで、下落する余地がある。

価格上昇のきっかけをつかむとすれば、製油所の定期修繕が終わる3月後半以降なのではないか。米国の5月下旬〜9月上旬のドライブシーズンという需要期に向けて操業度を引き上げるからだ。

また、原油安に伴うガソリン小売価格の下落で消費が刺激されていることもあり、2016年の世界の石油需要は前年比で日量120万バレル程度増加すると見込まれる。

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