原油価格20ドル台突入は何を意味するのか 今年は20ドル台前半から50ドル台で推移

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原油市場にはかつてない寒波が押し寄せている(写真:PIXTA)

原油安による不安が世界を覆っている。1月20日、原油価格の先物指標となるWTIは、1バレル=26.55ドルをつけた。リーマンショック直後につけた最安値36.61ドルをも下回り、2003年時点の水準まで落ち込んでいる。

供給過剰感は非常に大きい。OECD(経済協力開発機構)諸国の石油在庫は、ここ数年間で過去最高の水準に達している。

原油価格暴落でもシェールオイルの減産は緩やか

原油価格は2008年のリーマンショック後の落ち込みから急回復し、2014年前半までは100ドル台を維持していた。

その背景には、いうまでもなく、急速な経済成長を遂げる中国の存在があった。市場関係者は、中国が経済発展し自動車保有台数などが増加を続けることで、石油需要も増加し続けると見ていた。

リーマンショック後、米国の大規模な金融緩和や中国の4兆元の財政出動など景気刺激策が講じられると、景気回復による需要増を見越して投機資金も流れ込み、株式市場と連動するように原油価格は底打ちした。

供給サイドでは、リビアの混乱や西側諸国によるイランへの経済制裁、といった地政学的な供給途絶のリスク要因があった。

他方、米国ではシェールオイルの増産による、供給構造の変化が急速に進展する。2011年時点では、米国の生産量は2020年前後に日量140万バレルで頭打ちとなり、以降は減退していくとみられていた。

ところが、2012年の生産は日量200万バレルと従来の見通しを大きく上回り、マーケットでは米国が増産に走っているとの認識が広がっていった。

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