亀屋万年堂に刻まれた「たゆまぬ挑戦」の歴史 お菓子のホームラン王「ナボナ」の誕生秘話

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――王選手の「『ナボナ』はお菓子のホームラン王です!」というテレビCMは、本当にインパクトが強くて、今も多くの方の記憶に鮮明に残っているCMだと思いますが、王選手がCMに出ることになった経緯をお聞かせください。

実は、創業者の末治の娘が、巨人軍の國松彰と結婚し、國松と王さんが親友だったことから実現した企画なのです。國松は現在、亀屋万年堂の社長を経て取締役会長を務めていますが、王さんと國松は今も仲が良く、月に1度は会っていますよ。

――そうだったのですか。國松選手は巨人軍の選手を引退した後も、ヘッドコーチや二軍監督など、長くご活躍でしたね。王さんと國松さんはそんなに仲が良いのですね。

また王さんは國松を介して末治とも仲がよく、元々一緒にゴルフなどにも行っていて、末治のことを“おじいちゃん”と呼んで慕ってくださったそうです。

そういう経緯もあったうえでCM出演をお願いしたところ、二つ返事で“いいよ”と言ってくださり、本当に王さんは、人のつながりを大切にされるすばらしい人です。

――王さんもすばらしい人だと思いますが、末治さんや國松さんも人を惹き付ける魅力のある人なのだと思います。それにしてもナボナのように、50年も続くお菓子というのはそうそうないと思います。

もう、奇跡のような感じ、ですね……。ナボナが50年も続くロングセラーのお菓子になったのは、『ナボナはお菓子のホームラン王です』という秀逸なキャッチフレーズと、それから王さんが、世界一のホームラン王になるなど、すばらしいご活躍をされたからだと思います。

王さんが初めてナボナのコマーシャルに登場した昭和42年(1967年)は、6年連続ホームラン王に輝いた年だったのですが、その後、世界記録を打ち立てるまでになるとは、当時は誰も思っていなかったと思います。

王さんは引退までに計15回もホームラン王になり、そしてホームラン数868本という世界記録を打ち立て、75歳になられた現在も、野球界においての第一人者、揺るがないポジションにいらっしゃいます。

お陰様で“ナボナというと王さん”というイメージがずっと現役であり続けるというのは、非常にありがたいことだと思います。※亀屋万年堂HP「ナボナ物語」

東京みやげに『東京自由が丘・亀屋万年堂』のお菓子を

東京みやげにナボナを

――ところで、『亀屋万年堂』は直営店が60店、取扱店が100店あるそうですが、東京を中心とした関東に店舗が集中しています。関東にこだわる理由をお聞かせください。

取扱店が100店舗というのは6年前の情報ですね。平成19(2007年)に賞味期限の長い『ナボナロングライフ』を開発して、6年で取扱店が3倍に増え、現在は300店を超えています。

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