「負けない経営者」が持つ、たった1つの共通点

米国のプロ経営者が明かす危機克服の秘訣

――この本はもともとCEO向けに書かれたものですが、それ以外の人にもかなり読まれたようですね。

本を出して最も驚いたのは、ハイテク企業のCEOに向けて書いた本だったにもかかわらず、それ以外の人が楽しんでくれたことだ。本を読んでくれた多くの人と話してわかったのは、自分より大きなものーーたとえば、それはある人にとっては大企業を率いることかもしれないし、ある人にとってはそうした企業で働くことかもしれないーーと対峙したときにどうするか、ということがこの本には書かれているということだ。

それから、かなり多くの現役CEOから自分の配偶者や従業員に私の本をプレゼントした、とも言われた。「これが、自分が毎日直面している現実なんだ」とわかってもらうために。

CEOはものすごく孤独な仕事

――本では、かなりの窮地に追い込まれたときに奥さんと会話を交わす場面が多く出てきたのが印象的でした。経営者にとってパートナーの役割とは。

CEOは、常に何か心配事を抱えていて恐い思いをしているにもかかわらず、その懸念を誰にも漏らすことができない、という点で非常に孤独だ。それでも、最悪な事態に陥っているとき、話せる人が必要だ。同時に、CEOは自らの人生に直結するような決断をしなければならないので、家族の理解は欠かせない。

本の中で、妻や家族との会話が出てくるのは、自分が何か「気付き」を得た瞬間を表すためでもある。たとえば、(3人の幼い子供がいながら、ベンチャー企業に働きづめで妻に負担を強いていたときに)父が私に「離婚はおそろしく高くつくが、花は安い買い物だ」というようなことを言う場面がある。これはまさにある考えがクリアになった瞬間だ。無意識に自分であることに対する決断を下しているわけだ。

――今のCEOに求められる資質は、自身がCEOだった2000年代前半から変わったと思いますか。

かつては製品やサービスを市場に投入するには、営業や製品担当者、カスタマーサービスなどが必要だったことを考えると、今のCEOがやらなければならないことは減ったかもしれない。

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