「負けない経営者」が持つ、たった1つの共通点 米国のプロ経営者が明かす危機克服の秘訣

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ツイッターやスナップチャットを見ていると、確かに昔は会社を経営するのに今よりも色々なスキルが必要だったとも思う。今はエンジニアさえいれば、あっという間に成長してとんでもない高い評価を受けることができる。一度に(経営に必要な)すべてのスキルを取得するのは難しいので、ずいぶん変わったもんだとは思う。

しかし、本質的にはほとんど変わっていない。本では1995年か1996年に書いた製品管理に関する文書を「こういったものの作成に時間をかける必要はない」という意味で掲載している。かなり時代遅れの文書だと思ったが、多くの製品管理担当者があの文章は参考になったと言ってくれた。あの文書がいまだに通用するとは驚きだが、CEOに求められているものも普遍的なものが多いのではないか。

ソニーには「戦時のCEO」が必要

――ソニーやシャープなど日本のIT企業は長らく低迷しています。復活にはどういう経営者が必要でしょうか。

ソニーやシャープの問題は、アナログ製品から家電、デジタル家電への動きにうまく乗れなかったことだ。ソフトウエアで知財をおさえることが重要になる中で、ソニーはハードウエア企業からの脱皮が図れなかった。

こうした状況を変えるには、イノベーションを促進する文化を形成する必要がある。本にも「平時のCEOと戦時のCEO」について書いたが、ソニーは長らく「平時のCEO」が経営トップに就いている。今の彼らに必要なのは社内のコンセンサスを得られる人物ではなく、もっと鋭くて素早く決断ができるタイプの人物だ。もちろん、ハイテクのバックグラウンドを持つ、イノベーターでなければいけない。

今必要なのは、凄まじく製品に精通していて、決断やリスク負担をいとわない人物だ。ソニーは1997年当時のアップルに比べればずっとましな状況にある。しかし違うのは、アップルはその時点で会社にまさに必要だった人物、スティーブ・ジョブズをトップに就けたことだろう。

倉沢 美左 東洋経済 記者

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くらさわ みさ / Misa Kurasawa

米ニューヨーク大学ジャーナリズム学部/経済学部卒。東洋経済新報社ニューヨーク支局を経て、日本経済新聞社米州総局(ニューヨーク)の記者としてハイテク企業を中心に取材。米国に11年滞在後、2006年に東洋経済新報社入社。放送、電力業界などを担当する傍ら、米国のハイテク企業や経営者の取材も趣味的に続けている。2015年4月から東洋経済オンライン編集部に所属、2018年10月から副編集長。 中南米(とりわけブラジル)が好きで、「南米特集」を夢見ているが自分が現役中は難しい気がしている。歌も好き。

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