「台湾のためには、国民党を壊す必要がある」 コナンファンの台湾団結連盟有力候補に直撃

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──中国との関係をもう少し聞きたい。「中国は一つだが、一つの意味は中台がそれぞれ解釈する」という「92年コンセンサス」をあなたは認めるか。批判するならどのような理由からか。

「92年コンセンサス」は虚偽であり、存在しない。2000年に陳水扁政権が始まる前に「92年コンセンサス」という単語が出てきた。もともと公式文書にこの言葉は存在していなかった。2008年に馬英九が総統に就任した後に、「92年コンセンサス」が登場し始めた。2015年に馬総統と習国家主席が会談した時に、馬総統が述べた92年コンセンサスは結局、「中国とは中華人民共和国だけ」を意味するものだ。

──中国との自由貿易協定となる両岸経済協力枠組み協定(ECFA)や環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をどう考えるか。自由貿易を支持するか。

いま、誰もが「TPP反対」を述べ、米国から輸入される豚肉の安全性について触れているが、これはまだ未来型の問題、すなわちまだ決定されていないものだ。TPP反対を叫ぶ際に指摘される台湾の農業や食品の安全性といった問題を本当に考えるのであれば、まずはECFAの具体化協議の一つ、中国との貨物貿易協定が内包する問題について考えるべきだ。

議論すべきはTPPより中国との貿易関係

貨物貿易協定は中国の615品目の農産品を台湾に開放する可能性がある。食品の安全性は最後まで追跡されなければならない。農産品や材料は、土地と環境に関係がある。

中国は高度に汚染された地域だ。「スムーズな通関」も貨物貿易に含まれるが、中国の検査態勢を通過したものを台湾で検査しなければ、そのまま中国製品が入ってくる。実際に、検査標準はWTOで唯一欠落している非関税障壁だ。われわれが中国と同化してしまえば、それこそ大きな問題になる。特に食品の安全性が大問題になりうる。

いま進行中の貨物貿易は、台湾の農業に大打撃となるだろう。こちらのほうが大問題なのに、誰もがTPPのことしか話さない。民進党は浮動票の有権者を引き込むためにこの問題を避けようとするのは理解できるが、第3勢力の政党すべてが同じように避けている。彼らは本当に第3勢力なのか。

──であれば、TPPには反対なのか。

TPPは経済・産業の問題だけでなく地域経済共同体との関係性もあり、またこのうち政治的意味もある。台湾が国際貿易の枠組みから外れることは絶対にできない。われわれは国際経済体制と統合する過程において、開放するしないを部分的に選択して交渉すべきだ。われわれがTPPに加入しなければならないとしたら、経済的な理由で賛成・反対するのではなく、広範囲で多角的な議論を行った後に判断すべきだろう。

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