中国の長期没落によって日本経済は浮揚する 2016年春までには2万2000円台超の水準も

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外国からのマネーを活用して成長してきた中国。今、そのマネーが逃げ出している(写真:jimy/PIXTA)
日経平均株価は、9月安値の1万6901円から反転上昇。3カ月ぶりの2万円奪回が目前に迫ってきた。今後も上昇を続けるのか、それとも押し戻されてしまうのか。元ドイツ証券副会長、武者リサーチ代表の武者陵司氏に聞いた。

 

――パリでテロが起きた後も、日本株は堅調です。

今回のテロがグローバル経済に与える影響はほとんどないということでしょう。「9.11」の場合は、米国経済のITバブルが崩壊していく過程で起きました。テロがなかったとしても、いずれ株価は下がっていたでしょう。当時と今回では経済の状況が違うのです。

原油の恩恵はまさにこれから

――今の経済は強いということでしょうか。

資源を輸入する先進国には、原油安の追い風が吹いています。原油安が実態経済にプラスに効いてくるまで、18カ月程度のタイムラグがあります。原油価格は昨年秋から急落を始め、半値になりました。まさにこれから恩恵を享受する時期を迎えます。日本の石油輸入額は名目GDP比3.4%(2014年)と巨額。原油安は産油国にはダメージとなりますが、日本の景気押し上げ効果は大きいのです。

――円安の弊害が一部で指摘されています。

今の日本にとっては円安のメリットがデメリットを上回ります。円安のメリットは「日本買い」が起きること。外国人の「爆買い」や不動産の購入などがその一例です。デメリットは輸入品価格の上昇ですが、幸いにも原油価格の下落でデメリットが相殺される。いいとこ取りなのです。

――日経平均の今後の展開をどう見ていますか。

少なくとも2016年春頃までは大きく上昇するでしょう。2万2000円か、それ以上の水準を目指すことになると見ています。原油安の恩恵に加え、日本株は需給が良好です。郵政グループ3社が11月に株式上場し、株価は公開価格を大きく上回りました。多くの投資家は、含み益や売却益が出ており、投資しやすい状況です。

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