SBIが「マネックス・新生」提携にぶちまけた不満

実績と品揃えは圧倒的だが提携は実現せず

新生銀行が決めた提携相手はマネックス証券だった。写真はマネックスグループの松本大社長(左)とSBIホールディングスの北尾吉孝社長(右)(撮影:今井康一、尾形文繁)

「マネックスさんとの対比では、弊社で扱っている商品群やIFA(金融商品仲介としての提携)スキームの実績は圧倒的。どういう理由で(新生銀行の経営陣が)ああいう選択をされたのか、よくわからない」

1月29日に都内で開かれたSBIホールディングス(HD)の決算説明会でSBI証券の高村正人社長は憮然とした表情でそう口にした。この2日前に競合のマネックス証券が新生銀行の包括業務提携を発表したからだ。説明会で高村氏は、SBI陣営もマネックスと同様の提案を行い、新生銀行と証券分野での提携を模索していたことを明かした。

今回の提携で、新生銀行の投資信託口座と新生証券の債券口座の管理がマネックス証券に移管される。一方で、新生銀行はマネックス証券の金融商品仲介業者となり、顧客の勧誘や商品の販売、アフターフォローなどに専念することになる。

提携の実績を積み重ねてきたSBI

銀行と証券の提携は、もはやめずらしいことではない。準大手証券の東海東京フィナンシャル・ホールディングスは2007年から地域銀行が過半を出資する合弁会社を立ち上げ、証券業務を行っている。

野村証券も2019年に島根県の山陰合同銀行、2020年には徳島県の阿波銀行と相次いで提携を発表。中堅証券でも藍澤証券が地域の金融機関と関係を深めてきた。さまざまな金融商品を持つ証券会社と地方に拠点を持つ金融機関が手を組んで、顧客のすそ野拡大につなげるのが狙いだ。

SBIグループも「第4のメガバンク構想」などで銀行との提携戦略を主導している。すでに地銀7行と資本業務提携しているほか、地銀12行と証券の共同店舗を運営。足元ではメガバンクの一角である三井住友フィナンシャルグループとも証券分野での協業や、大阪に新設する私設取引所への共同出資などで急接近。異業種との提携に自信を深めていた。

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