メガバンク系証券が批判「時代遅れ規制」の行方 ファイアーウォール規制は撤廃すべきなのか
金融を取り巻く環境は激変した
――銀行と証券のファイアーウォールの緩和や撤廃について、どのように考えていますか。
悲願だね。ファイアーウォールは、1993年に業態別子会社で銀行が証券に参入できるとなったときにつくられた規制だ。当時はアメリカもファイアーウォールが残っていて、それに倣った。銀行が証券業務をやるというので、独立系の証券会社から相当な抵抗があった。
当時の銀行は今の銀行とは違う。就職先としての人気も10位内に入っただろうし、時価総額も10位内に何行かが入っていた。我が世の春というか、とにかく銀行は、日本においては相当な重みをもって受け止められていた時代だよね。間接金融が非常に幅を利かせていた。
そこでは銀行の優越的地位の濫用とか、利益相反とか、そりゃ心配になるよね。(例えば)銀行が「うちの証券会社、使えよ」と圧力をかけるとか、いろんな弊害が考えられたから、厳しいファイアーウォール規制が敷かれた。
昔は人も山ほど企業に派遣したり、あるいは(株式の)持ち合いをしていたから、そういう意味での企業に対する力はあったと思う。ただ、もう4半世紀以上経っている。この間、金融を取り巻く環境は激変した。
今は持ち合いもだいぶ解消した。(融資先に)役員を出そうにも、「独立社外役員にならないから駄目だ」とか言って断られつつある。そういう意味での影響力は、昔に比べると相当程度減った。
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