研究で判明「陰謀論を信じる人」に共通する性格 米国人の3割はコロナは作られたと信じている
アメリカ人の3人に1人以上が、新型コロナウイルスは中国政府が武器としてつくり出したものだと信じている。また別の3人に1人は、アメリカ疾病対策センター(CDC)が、ドナルド・トランプ大統領の力を弱めるために、新型コロナの脅威を誇張していると考えている。この数字は、ペンシルベニア大学のアネンバーグ公共政策センターが9月21日に発表した調査によるものだ。
コロナが収束していっても、それには関係なく、これらの数字は増えるかもしれないし、減るかもしれない。しかし、ここで重要なのは、ある特定の種類の陰謀論が表舞台に表れてきているということだ。それは、「公式発表」は実は大ウソで、強力な影の勢力が裏で操っているというものだ。
陰謀論として極端なものには、人食いと悪魔崇拝の小児性愛者による画策(「Qアノン」と呼ばれるグループで唱えられている説)、トカゲが企業のリーダーや有名人に変装している(宇宙人による誘拐の物語やSFから発生)、そして悪の科学者や政府などが、新型コロナウイルスを自らの邪悪な目的に利用しようとしている、といった説がある。
半数が陰謀論を1つは信じている
疑わしい陰謀論を少なくとも1つは信じているアメリカ人は、全体の50%前後との推計がいくつかあるが、実際はもっと多いかもしれない(本人は、自分が信じているのが陰謀論だとは気づいていない可能性がある)。そういう状況でも、どんなタイプの人たちが「大ウソ」の話、特にホラー映画的な陰謀論を信じてしまうのか、心理学者たちはまだあまり理解できていない。
陰謀論を信じやすい人たちに関して、アトランタの研究チームは、現在のところ最も包括的な分析を行い、特徴的と思われる性格特性をいくつか描き出した。1つはおなじみのタイプだ。「インジャスティス・コレクター(自分が不当に扱われたと思う経験を繰り返し数え上げる人)」で、衝動的で自信過剰、自分以外のあらゆる人の弱さをさらけ出そうとする人である。
もう1つのタイプは、それほどなじみのないものだ。孤独を好み、不機嫌で短気な人。その中には、年配で独居の人も多い。さらに分析でわかったのは、極端な場合には本当の病気、精神医学の専門用語で言う「パーソナリティ障害」を持っている場合もあるということだ。