池上彰が解説「今さら聞けない新聞の読み方」 新聞ごとの論調にどのような違いがあるのか

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新聞を毎日読むためには、まず新聞に慣れるところから(Fast&Slow/PIXTA)
新聞を毎日欠かさず読んでいるという人はどのくらいいるでしょうか? 文量が多くて読む時間がない、ネットニュースで十分、専門用語が多くて難しいという人がいると思います。ジャーナリストの池上彰さんは、「新聞は読み方によってこれまで以上に楽しく読むことも可能」だと言います。池上さんの近著『考える力と情報力が身につく 新聞の読み方』から一部抜粋し、新聞の読み方について解説します。

新書2冊分の情報がある

新聞に掲載されている情報量は、どれくらいだと思いますか? 朝刊の文字数は、およそ20万字。新書2冊分もの情報量が詰まっているのです。毎日、新書を2冊読むのは、いくら本好きでも難しいかもしれません。しかし、新聞なら、同じ文字量を毎日、難なく読めるのです。この情報を生かさない手はありません。

新聞を毎日読み続けていれば、大量の情報に触れていることになります。その情報の蓄積は、きっと大きな力となるはずです。

最近では、親の世代が新聞を読んでいないことも増えました。自宅に新聞がないため、新聞を読む習慣がないまま大人になります。そのまま就職活動が始まり、急に「日経新聞を読まなきゃ」と思っても、何が書いてあるのかわからないという人が多いでしょう。

新聞はすべての専門用語に解説をつけたりはしません。記事の前提の部分は省略されていることが多く、「一見さん」にはわかりにくいのです。だから、「新聞は難しい」と感じて諦めてしまうのです。

これは新聞の側にも非があります。毎日、読んでくれているという前提で記事を書いていては、今の時代、相手にしてもらえません。「そもそも」から解説する「週刊こどもニュース」が大人に支持されていたのは、新聞が親切に書かれていないからなのです。

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