東電の新料金プラン、お得なのは多消費世帯 家庭市場の自由化、料金メリットには限界

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牙城に攻めこんでくる東京ガスとの料金比較も会見で行った(撮影:尾形文繁)

東電は同様のプランを打ち出した東京ガスの類似プランとの対比図を示したうえで、「とってもおトクです」とアピール(東電の資料によれば月450円相当割安だという)。新規参入組で最大のライバルの東京ガスへの対抗姿勢をあらわにした。

ただし、4月以降に契約申し込みをした場合には、「キャンペーン特典」の1万2000ポイント(1万2000円相当で2017年春をメドに電気料金などに充当できるサービスを導入)がつかなくなる。特典が新たに用意されない場合にはメリットが薄れる。

東電は今後、全国にも販売を拡大していく。その第一弾として、中部電力や関西電力エリアで、東電は価格メリットのある「プレミアムプラン」を用意した。こちらもターゲットは使用量が多い家庭で、東電によれば「中電や関電と比べて3~5%安い水準に設定した」(眞田秀雄・カスタマーサービス・カンパニーアライアンス推進室長)という。

プレミアム対象外は現在の体系を選択?

一方、少人数や300キロワット時程度の標準的な家庭にとって、今回の料金メニューによるメリットは大きくなさそうだ。

もともと電気の消費が少ない世帯には、使用量に応じてかかる料金(従量料金)が低くなるように階段状に設定されている。国民の最低生活費(ナショナルミニマム)への配慮や省エネを目的としたいわゆる「3段階料金」と呼ばれる規制料金の仕組みだ。

そのため、この層へのさらなる割引は難しく、前述①の新たに導入した「スタンダードプラン」も従来の料金と比べて価格面では大差は無い。3LDKのマンションに住む4人家族の場合(契約電流40アンペア、1カ月の平均使用量が400キロワット時という条件を設定)でも、ポイント付与による実質的な値引きは年間に約1000円程度にとどまる。

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