カヤックがウェディング事業を始める理由 「面白法人」はどこまで本気なのか?
柳澤CEOはウェディング事業について「上場したことを契機に、今後はより広い層を狙える王道のビジネスも攻めていく。その意思の表れだ」と説明する。
ただ、カヤックがこぎ出すウェディング業界の波は高い。経済産業省が実施した、東京や大阪など全国8都市を対象にした調査によると、2014年の結婚式件数は前年比6%減の約4万9000件、厚生労働省の統計を見ても婚姻数自体の減少が続いている。
挙式をしない「なし婚」が増加し、既存プレイヤーが激しくしのぎを削る中、後発のカヤックが武器にするのは、カップルがプランナーを起点にして、結婚式の計画を立てられる新しいビジネスモデルだ。
新サービス「プラコレウェディング」は、挙式するカップルと結婚式プランナーをつなぐ仲介サイト。現在、国内で一般的なのは、挙式を検討するカップルが訪問やネット申し込みで式場をまず選び、その後に式場に所属するプランナーと相談して計画を固めていく方式だ。
既存事業のノウハウも活用
しかし、プラコレの場合は「結婚式の満足度は、プランナーとの相性や提案次第で大きく変わってくる」(柳澤CEO)と、まずはプランナーを選び、その後で式場や演出などを詰めていく。
具体的には、ユーザーがサイトで予算や式を開きたい国や地域などを入力すると、10程度の結婚式場や結婚式プロデュース会社に条件が送られる。それに応じて、複数のプランナーから寄せられた提案の中から、ユーザーは気に入ったものを選ぶ仕組み。
成約などの成果に応じてカヤックに手数料が入るビジネスモデルで、ユーザーが心地よく使えるように、バナー広告などは入れない方針だ。
3月以降は実際の挙式事例をサイトで紹介し、SNSでの拡散や口コミでの集客を加速する。式場などに所属しないフリーのプランナーの参加を増やし、より柔軟に挙式プランを立てられるようにサービス改善も進めていく。
カヤックはこれまでも、専門家とユーザーをつなぐ同種のサービスとして、タマホームとの合弁会社で予算や場所、工期に応じて建築家と施主をつなぐ「SuMiKa」(スミカ)」を手掛けてきた。ユーザーが楽しく、分かりやすく使えるサイト設計などで、こうしたサービス開発の経験をウェディング事業でも活用していく考えだ。
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