仕事のできない人はPDCAがわかっていない トヨタで学んだ男が説くカイゼン術の超基本
これには、「古くからの社風」や「残業代という制度」、「その残業代に頼ってしまう社員」など、多くの要因が絡んでいると思いますが、個人で考えるべきは「時間あたりの仕事の質」でしょう。すべての人間に平等に与えられた「時間」という枠組みの中で、いかに高いパフォーマンスを発揮できるかが、ビジネスパーソンに求められているといえます。
そのためにできることは何でも取り入れ、とにかく「Do=実行」のクオリティを高める努力が必要になります。
ミスを防ぐなら「C」、成果を上げたいなら「A」
一方で、いくらアウトプット量を増やしても、ミスばかりするようでは時間の無駄になってしまいます。そうしたミスの多い方であれば、「Check=検証」に注力するのが望ましいです。ミスが起きるにしても、「ミスが起きる原因」というものがあるわけで、その原因を探って特定しないことには、いつまでたっても同じ失敗を繰り返すばかりです。
企業が似たような不祥事を起こすのも、コトが起きてから個々で解決しようと「対症療法」の姿勢をとっているからではないでしょうか。つねに「Check=検証」を怠らない環境であれば、大きな不祥事など起きるはずもありません。
また、自らの仕事で成果を上げたい、成長し続けたい、ということであれば「Action(改善)」をしっかりやるべきです。仕事というのは同じことの繰り返しではありません。つねに「もっとよいやり方」を探しながら過去の自分を超えていくことが大事なのです。トヨタの現場でも「変化をしないということは、仕事をしていないに等しい」とまでいわれていたほどです。
ヤフーが徹底したPDCAとは?
具体的に成果を上げている企業のPDCAサイクルの事例を簡単にご紹介しましょう。
まずは、誰もが知るポータルサイトを運営しているヤフーです。パソコンとスマートフォンを併せて月間1000億ページビュー(PV)近い膨大なアクセスを持っています。そのヤフーのトップページにある「検索窓」に売り上げ増の秘密が隠されています。
検索窓はずっと固定されているように見えますが、実は、何度も大きさが変わっています。これは「アクセス数を増加させよう」という「Plan=計画」に基づいて、「検索窓の大きさを変えることで、検索数が変わるのではないか」という仮説を立て、実際に大きさを何度も変えて「Check=検証」をしていったわけです。
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