仕事のできない人はPDCAがわかっていない トヨタで学んだ男が説くカイゼン術の超基本

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この検索窓の大きさを細かく変えていったことによって、ヤフーのアクセスは変化しました。結果的には従来から6ピクセル大きくしたことで、広告費に換算で年間4億8000万円もの売り上げ増につながったのだそうです。

電話営業が面白いほどうまくいく

次にリクルートの事例を紹介しましょう。ここで取り上げるのはある雑誌媒体の「電話営業」の話です。その部署では、雑誌に広告を出してもらうため、電話でお客様に説明してアポイントを取り、訪問して更に説明することで広告を出稿してもらう、という営業活動をしていました。

その営業電話においては、当然ながら「断られる」ということも多々ありました。そこでPDCAです。

このケースでは断られた時に「よし次!」と「Do=実行」を急ぐのではなく、「なぜ断られてしまったのか」と、各々に理由を「Check=検証」させていきました。そうすると徐々に「断られる理由」がわかってきました。そこから、1人ひとりの検証結果を結集し、誰でもアポが取れる「断られないための話術(トークスクリプト)」が作られたのです。

この話術を部署全体で共有することで、どんなに電話が苦手な営業マンでも、入社したばかりの新人営業マンでも、面白いほどアポイントが取れる営業トークを繰り広げることができたのだそうです。このトークスクリプトは、今も進化しているということですから、PDCAを回し続けているのですね。

今年こそ、8割が陥る「計画倒れ」から抜け出そう!

最後にもう1つお伝えすると、PDCAは、「P→D→C→A」と1周して終わりではない、ということです。「A」まできたら、また「P」に戻り、さらに高いレベルの「PDCA」を回すという「スパイラルアップ(らせん状の成長)」を遂げていくというのがPDCAの本質です。だからPDCAサイクルといいます。

筆者の体感値ではありますが、8割ほどの企業が「Check=検証」を怠っており、「計画を立てても結果がついてこない」「やるべきことに追われて日々が過ぎていく」という状態です。

振り返りができなければ、次の「Action=改善」にもつながりませんから、成長も見込めません。強制的にでも「Check=検証」の時間を設けて定期的に振り返り、ミスの撲滅や自己の成長につなげていく。PDCAを意識して回して続けている限り、成長し続けることができるはずです。

原 マサヒコ プラスドライブ代表取締役CEO

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はら まさひこ / Masahiko Hara

1996年、神奈川トヨタ自動車株式会社にメカニックとして入社。5000台もの自動車修理に携わりながら、トヨタの現場独自のカイゼン手法やPDCAサイクルを叩き込まれる。これらを常に意識して研鑽を積み、技術力を競う「技能オリンピック」で、最年少優勝に輝く。さらにカイゼンのアイデアを競う「アイデアツールコンテスト」でも2年連続全国大会出場を果たすなどトヨタの現場で活躍。
その後、デル株式会社を経て、WEBマーケティングのサービスを提供する、株式会社プラスドライブを立ち上げる。現在も代表取締役CEOとして、クライアント先のWEBサイト改善やマーケティング施策の推進業務に従事している。
そのかたわら、トヨタ式の考え方やカイゼンの手法、PDCAなど、トヨタで学んだビジネススキルを社会に還元するために、日々講演活動を行っている。製造現場のノウハウをどんな企業でも使えるノウハウに落とし込むことを得意とし、さまざまな業種の企業から信頼を得ている。
著書に『人生で大切なことはすべてプラスドライバーが教えてくれた』(経済界)、『新人OLひなたと学ぶ どんな会社でも評価される トヨタのPDCA』『まんがで身につくPDCA』(ともに、あさ出版)、『どんな仕事でも必ず成果が出せる トヨタの自分で考える力』(ダイヤモンド社)、『トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術』(かんき出版)など多数。

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