日本企業が強いリーダーを育てられない理由

納得する人選と育成プロセスを確立せよ

リーダーはリーダーにしか育てられません。何がリーダーとしての行動なのかは、リーダーでない人にはわからないからです。しかも、人材育成は時間がかかるもの、と最初から決めてかかってしまっているようにも思います。それがさらにリーダー人材の枯渇感に拍車をかけています。

2016年の年の初めにあたり、経営者自らが、「リーダー人材育成をスピードアップするぞ」と本気で思えるか。これが非常に大事です。

リーダー育成の取り組み方

先日ある大手企業の社長からきっぱりとした口調で、こう言われました。

「わが社の社長の決め方を変えたい。私は後任社長選びのとき1票を投じるだけでいい」

私はこの言葉を聞いて、経営者の苦悩を感じてドキッとしました。社長の後継者は社長自身が最終判断することが通例だと思っていたからです。彼が言わんとしていたのは、「先代の社長から選ばれた次の社長は、自分を選んでくれた社長の路線を否定しづらい。しかし、変革を成し遂げるときは、前任社長を否定しないといけないこともある」ということでした。

ここにリーダー人材育成の本質があります。リーダーはリーダーにしか育てられないとは言っても、そこには公平で公正なプロセスが必要なのです。誰もが「彼(女)ならば」と納得する人選と育成プロセスがあって、そこに現リーダーが適切にハンズオンで関与することが必要なのです。

そのいくつかの方法をご紹介させていただきます。

■リーダー人材にストレッチゴールを与え、自らメンター役を行う

ゼロベースで「ストレッチゴール」を設定し、「実行に次ぐ実行」で、目に見える「実績」を残せた人材は、経営という仕事のプロとしての一次試験をパスしたと見なすことができます。ストレッチゴールの達成こそ、マネジャーとリーダーとを分けるものです。

「修羅場で人は育つ」といいますが、現実にはなかなか都合よく、そんな環境を用意できるものではありません。だからこそ、既存のポジションを修羅場に変えるべく、ストレッチゴールを設定するのです。

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