世界の99%を貧困にする経済 ジョセフ・E・スティグリッツ著/楡井浩一・峯村利哉訳 ~経済改革に向け七つの基本方針を提示

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貧富の格差の問題を取り上げた類書は多い。本書が類書と決定的に違うのは、経済理論を駆使して極めて冷静に問題の本質を一つひとつ解き明かし、さらに単なる批判にとどまらず、「いまとちがう世界は実現可能」だと、経済改革の七つの基本方針を提示していることだ。

著者は市場をやみくもに否定するのではなく、「より効率的な経済とより公平な社会のため市場が市場らしい働きをすること」と「市場の行き過ぎを調整すること」が必要だと主張する。健全な市場機能を阻害しているのは、富裕層と政治家の結託、カネ儲けのためのすべての手段の正当化、貧困層の人々を罪悪感なく搾取する“モラルの喪失”であるとも指摘している。分析の切り口は鋭く、極めて刺激的である。

最後に、読者諸氏に設問を付記したい。なぜ経営者が従業員の何百倍もの所得を得ることが正当化されるのか。そうした社会は好ましいのか。著者は本書の中で、その問いに明確な答えを示している。

Josehp E.Stiglitz
米コロンビア大学教授。1943年生まれ。米イェール大学はじめ英オックスフォード大学、米プリンストン大学、米スタンフォード大学で教鞭を執る。大統領経済諮問委員会委員長、世界銀行上級副総裁兼チーフエコノミストなども務める。ノーベル経済学賞受賞。

徳間書店 1995円 415ページ

  

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