スギ薬局、狙うは日本一の「かかりつけ薬局」 杉浦広一会長が挑むドラッグストアの理想
かかりつけ医の薬剤師版であるべき
――スギ薬局は、国が「かかりつけ薬局」を推進するはるか前から、これを目指していたと聞いたが。
薬学部を卒業してすぐの1976年に、妻(現副社長の杉浦昭子氏)と2人でスギ薬局を開業して以来、薬を単なるモノとして売ろうとは思ったことはない。お客さんは、杉浦という薬剤師に相談に乗ってほしいから店に来る、いわゆる「かかりつけ医」の薬剤師バージョンであるべき。そればかり言っていた。
――40年前の日本に、かかりつけ薬局という概念はあったのか。
まったくない。私は当たり前のことをしていたつもりだが、当時の薬屋は、他社よりも安くして儲けようというのが一般的で、かかりつけ薬局という考え方はなかった。当時のスギは、企業規模が小さくて影響力がなかったので、この概念はまったく広がらなかったが、今やっと概念として普及しつつある。そうは言っても、これを実現できているところは、まだほとんどない。
日本橋三越(東京都中央区)の近くに、わずか30坪で、スギ薬局の一番小さい店舗がある。そこには、近隣に職場がある患者を中心に、100以上の医療機関から処方箋が集まってきており、非常に好調だ。かかりつけ薬局として機能しているということ。都心のあんな狭い店で処方箋調剤なんて、調剤室を置くスペースもないし、薬剤師も集まりにくい。他社なら普通はやらない。が、住宅地の近くだけではなく、都心でもかかりつけ薬局は十分成り立つ、ということがわかった。今後もこうした都市型店を増やしていきたい。
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